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「移住支援制度」認知度調査 

【調査背景・目的】

日本政府は、東京圏から地方への年間移住者数を1万人に増やすなど、2027年度を目処にした数値目標と進行工程を含めた『デジタル田園都市国家構想』の包括的な戦略を発表しました。これに関連し、我々は、東京都在住の若年層(20代から30代)が地方移住にどれくらいの興味を持っているか、また各自治体の提供する『移住支援制度』についてどれだけ認知しているかを明らかにするためのインターネット調査を実施しました。

この調査は、2023年10月23日(月)~10月24日(火)の期間、東京都在住の男女を対象に行われた。

 

若年層の移住意向

一都三県以外への移住意向は、「移住してみたい」が12.8%、「条件が整えば移住してみたい」が27.4%、と移住意向のある方は全体の約40%となった。

一方で、「興味はあるが移住してみたいと思わない」17.1%、「移住してみたいとは思わない」42.7%、と若年層の半数以上は移住してみたいと思っていない結果になった。

では、移住意向がある方はなぜ移住したいと思うのか、次の設問で現在の生活で感じている不満点を聴取した。

 

現在住んでいる地域に関しての不満点

東京都に住んでいることに対する不満としては、全体で「家賃が高い」が31.5%で1位、「物価が高い」が21.6%で2位、「通勤(混雑)が苦痛」が15.8%で3位となった。

生活コストがかかる面や混雑してしまうなど、首都圏特有の要素に半数以上の方が不満を持っていることが分かった。

一方で「特に不満はない」に回答した方は26.2%で、現在の生活に不満を持っていない方が一定数いた。“移住意向あり”の方が東京都に住んでいることに対する不満が多く、「特に不満がない」と回答した方は12.4%と“移住意向なし“の方よりも13%低い。

 

移住要因

 

移住の要因となりうるものを確認したところ、全体では「自然が好き」と「ストレスの少ない環境」が24.4%で同率1位、「支出の軽減」が20.5%で3位となり、続く4位には17.6%で「都会の喧騒から逃れたい」がランクインした。“移住意向あり”の回答を見ると、全体で上位にランクインした項目のほとんどが全体平均より10%以上高い結果となった。“移住意向なし”は「自然が好き」の項目が“移住意向あり”よりも27%低く、「ストレスの少ない環境」も18%、「都会の喧騒から逃れたい」も17%低いなど、自然への憧れがなく都会の暮らしに満足しているため、移住意向に結びついていない可能性が示唆された。

次に、国や自治体が設けている「移住支援制度」の認知度はどれぐらいなのか聴取した。

 

「移住支援制度」の認知度

「移住支援制度」の認知度を見ると、全体として「知らない」は約54%、「聞いたことはある」約38%、「知っていて、内容まで理解している」約8%と非認知率の方が上回る結果となった。

“移住意向なし“の方は制度を認知していない割合が約60%と高く、”移住意向あり“の方も約40%と制度の認知度は低いことが分かった。

制度を広めていけば移住へのきっかけとなり、移住者が増えるのではないかと考え、次の設問で「移住支援制度」を認知後移住に対する意識変化があったのか聴取した。

 

制度非認知者の移住に対する意識変化

国や自治体の移住支援制度があることを知り移住に対する意識の変化があるのかを見てみると、全体の37.3%の方が「移住により興味を持った」と回答。

制度を知らなかった移住意向者に絞って見ると「移住により興味を持った」と回答した方が74.3%となっており、移住支援制度があることを知ると、移住に対してより興味を持つことが分かった。また、移住支援制度を知らなかった移住意向のない方でも、21.8%は「移住により興味を持った」と回答しており、「移住支援制度」の認知度を上げることで首都圏から地方への移住を促せる可能性が示唆された。

 

総括

移住意向のある東京在住の若年層は全体で約40%となった。

なぜ移住を検討しているのか、生活の不満点を聴取すると「家賃が高い」、「物価が高い」、「通勤が苦痛」など、地方移住をすれば解決できるような意見が多く挙がっていた。

また、移住の要因となりうるものとして「自然が好き」、「ストレスの少ない環境」、「支出の軽減」が上位に挙がっており、感じている不満点と同様、移住をすることで解決できそうなものばかりであった。

では、なぜ移住をしないのか。「移住支援制度」の認知度を聴取すると、全体の約54%の方が「移住支援制度」を「知らない」と回答し、移住意向ありの方を見ても約40%の方が「知らない」と回答するなど、「移住支援制度」の認知度はまだまだ低いことが読み取れる。

「移住支援制度」を知った“制度非認知・移住意向者”の74%が「より興味を持った」と回答しており、認知させることの重要性を表している。

国や地方自治体が打ち出している「移住支援制度」は十分な内容だと感じるが、今は制度の拡充ではなく訴求方法を工夫し、「移住支援制度」の認知度を上げることに注力すべきではないだろうか。

 

調査概要
調査対象:東京都20代~30代の男女
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年10月23日(月)~24日(火)
有効回答数:本調査1,100サンプル
調査主体:株式会社アイディエーション

 

本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
広報担当:柿沼
TEL:050-5212-8112
e-mail:info@ideation.co.jp

 

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