ガジェットレポート②「窒化ガリウム(GaN)」でコンパクト充電器
新しいガジェット大好きのMです。
今回はACアダプター(充電器)についてご紹介したいと思います。
今回のキーワードは「窒化ガリウム(GaN)」です。
ガジェット大好きな人ならば、すでに知っているキーワードかもしれませんが、今後身近になるキーワードだと思います。
「窒化ガリウム(GaN)」のお話の前に、皆さんACアダプター(充電器)を持ち歩いていますか。
デジタルガジェットを持ち歩く機会が増えて、スマホやタブレットの電源が切れても大丈夫なようにモバイルバッテリーを持ち運ぶ方が多いと思います。
モバイルバッテリーならばスマホやタブレットの給電は問題ありませんが、ノートPCなどを充電するためには、大容量のモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要があります。
持ち物が重くなるのは避けたいので、モバイルバッテリーは極力持ち運ばずに、必要に応じてACアダプターを持ち運ぶようにしています。
ACアダプター(充電器)も機種によっては大きなものがあったり、形状が特殊で専用のACアダプター(充電器)を持ち運ばなければならなかったりと、不便だったのですが、最近はUSB Type-Cでの給電に対応したノートPCが増えてきたおかげで、専用のACアダプター(充電器)を持ち運ばなくても済むようになってきました。
普段使用しているLenovoのThinkpad X1 CarbonやMicrosoftのSurface GoもUSB Type-Cの給電に対応しており、11インチのiPad ProもUSB Type-Cです。
USB Type-Cに対応したACアダプター(充電器)を1つ持ち運べば荷物をかなり減らせる状況になってきました。
しかしながらここで問題になるのが給電出力です。
一定の給電出力がなければ、ノートPCを充電することができません。
逆に、給電出力が高いと、iPad Proの充電時間がかなり短縮することができます。
さきほどから、USB Type-Cというキーワードが出てきますが、このUSB Type-Cから給電の仕様が大きく変わって、最大100Wという非常に大きな電力の供給が可能なUSB Power Delievery(USB PD)に対応しているのです。
これまでのUSBの規格と比べると、高出力っぷりが一目瞭然です。
規 格 | 最大給電能力 |
USB1.1 | 2.5W |
USB2.0 | 2.5W |
USB3.0 | 4.5W |
USB3.1 (USB Type-C) | 100W |
ちなみに、必ずしもUSB Type-C=USB3.1ではありませんのでご注意下さい。
USB2.0にしか対応していないType-Cケーブルもたくさん出回っています。
そのためUSB PDに対応したケーブルを使用しないと、高出力の給電はできませんので要注意です。
ここでようやく登場するのが「窒化ガリウム(GaN)」」です。
これまでのACアダプター(充電器)には半導体素材としてシリコンが用いられてきました。
技術革新によりかなりコンパクトになってきましたが、それも限界で高出力なACアダプター(充電器)を作ろうとすると、どうしても大型化してしまいます。
シリコンに変わる素材として「窒化ガリウム(GaN)」が注目されており、「窒化ガリウム(GaN)」を使うことで電力の損失が少ない高エネルギー効率の半導体を作ることができ、また発熱も抑えることができるので、ACアダプターを小型化することができるそうです。
というわけで、「窒化ガリウム(GaN)」が採用されたACアダプター(充電器)と、普通の充電器を比較してみたいと思います。
まずは、DELLアンバサダーでお借りしていた「XPS」です。
PCはとってもコンパクトで持ち運びしやすいのですが、ACアダプターはかなり大きくなっています。
せっかく、PCがコンパクトになっているのに、ACアダプターが大きいのは微妙です。
重量も「237g」ありました。
出力は「45W」となっています。
続いてThinkpad X1 CarbonのACアダプターです。
重量は「229g」。
出力はDELLと同様に「45W」です。
DELLもThinkpadもケーブルの着脱はできません。
続いて、マイクロソリューションのACアダプターです。
こちらはAmazonで1,000円で購入したのですが、純正のACアダプターよりコンパクトで、高出力なのですが、残念ながら今は売っていないようです。
重量は「188g」
出力は5V/9V/15V/20V 3A(MAX)となっていることから、15W、27W、45W、60Wの4つのパターンに対応しています。
USB PDは接続した機器同士で入出力を確認し合うため、60Wに対応していない機器に対しては27Wや45Wなど出力を抑えて給電する仕組みです。
逆に高出力に対応していれば、それだけ早く充電することができます。
続いてiPad Proに附属するACアダプターです。
重量は「61g」と一番軽量です。
出力は5V×3A=15Wと9V×2A=18Wの2種類に対応しています。
最大18Wの出力のため、ThinkpadやXPSの充電はできません。
コンパクトでも、ノートPCのACアダプターの代替にはならないのです。
いよいよ「窒化ガリウム(GaN)」を採用したACアダプター(充電器)です。
RAVPOWERというメーカーの製品「RP-PC104」です。
重量は「78g」
出力は5V×3A=15W、9V×3A=27W、12V×3A=36W、20V×2.25A=45Wに対応しています。
この大きさで45Wまで対応しているので、ThinkpadやXPSも充電できます。
iPad ProのACアダプター(充電器)よりは若干重たいですが、45Wの出力に対応してこの大きさというのは、持ち運ぶのにとても便利です。
マイクロソリューションのACアダプターと比較してもコンパクトであることを、分かって頂けると思います。
ただ1点だけ残念な点があるのは、この形状です。
電源コンセントに差し込むと、他の製品に干渉することがあります。
そこで、以下の写真のような延長コードを併用すれば問題は解決します。
ということで、今回は「窒化ガリウム(GaN)」を採用した軽量コンパクトなACアダプター(充電器)をご紹介しました。
USB Type-Cに対応した製品が増えてきたので、持ち運ぶものを統一して荷物が軽くなるのはとても助かります。
今後も「窒化ガリウム(GaN)」対応の製品はチェックしてゆきたいと思っています。